デジタル化と仕事の効率化のバランスをとるには

宅急便の受け取りに使えなかった印鑑

 執事が本部事務所の郵送物を受け取る係だった時、インターホンがなるととんで行ってあらかじめ用意された印鑑をもって素早く玄関に出向いて待ち構えていました。

ある時、なにやらタッチパネルのようなものを配達員の方が差し出してきます。

「これはなんですか」

「タッチパネルです。ここにペンでサインをお願いします」

と電子ペンで名前を書いてくださいと要求されました。

 不便極まりなかったです。印鑑を押すのなら1秒もたたずにできたことを慣れない電子ペンで名前を漢字で書くわけです。

「これやるのすごく手間なんですけど…」と暗に抗議すると

「他のお客さんからもよく言われます」と笑顔で返事が…。

「不便なんで改善するよう言って貰えますか」と言っておきました。

 デジタル化を仕事に取り入れてはいけない最たるものだと思いました。なんでもかんでもデジタル化したら仕事が効率化すると勘違いしているというか。試作段階でなんでやめなかったんだろうと思います。

効率化は自分で工夫しないと便利さはわからない

 独立したての頃、まだ封筒にあて名書きを自分ですることもあったのですが、ある時年賀状ソフト(筆王、筆まめ)を応用してインクジェットプリンターで封筒に直接印字する方法を開発しました。

 この方法はとても便利で角3封筒のあて名書き業務から完全に開放されます。宛名と差出人両方とも手書きをしなくてすみます。

 年賀状ソフトを応用することで仕事の効率化がだいぶ進んだと思ったので、友人の開業税理士にそれを報告したら、

「あて名書きはたいした労力もかからないので自分で書いてますよ。職員がしますし、自分でやるのも手書きで平気です」

と言われました。あ、仕事の効率化ってやった人でないと便利さってわからないんだなと思いました。

手書きでの封筒のあて名書きは絶対にやめよう

 今日日、ペーパーレスしてる人もいますが、なにかと封筒で郵送することはあります。税理士だったら絶対に避けて通れないのが小規模企業共済の加入時の書類の郵送でのやりとりです。その時に封筒であて名を書く作業が一番労力がかかります。

 このプリンターの封筒印刷で返信用封筒として宛名に自分の名前と差出人にお客さんの名前を入れたものも作れます。相手から送ってもらう封筒もあらかじめ作れるのです。自分も効率化するとともにお客様にも手間をかけさせないことも大事です。

電子納税はお客様に提供するマストサービス

 デジタル化社会を国も推進しているのに、いまだに税理士から納付書を紙で渡されて銀行に行って番号札とって並んで払ってくださいと突き放されている人達がいます。これは自宅に居ながらにして払える電子納税サービスで済ませられます。もう銀行に行く必要がありません。

 電子申告と同じく使えば便利なサービスとわかるので次第に普及していくでしょう。対応できてないと今の電子申告をしていない人と同じ目で見られるでしょう。ネットバンクを使ってないお客様にもダイレクト納付を申請すれば使用が可能です。

まとめ

 年賀状ソフトという年に一度しか使わないものも使いようによっては便利です。住所録はデジタルでお客様情報、役所を管理できます。いまのところ全てをペーパーレスにするのは難しい部分もあり、それならばデジタルとアナログの部分で効率よく仕事をこなすしかありません。

 一番は手間がかかる仕事をなくすことです。なくしているにも関わらず仕事が効率化して目的が達成されていることが大事です。人を使わずに経営するのはここがキモになるでしょう。上記のデジタルサインのようにデジタル化したけど余計手間がかかることは仕事上無意味なことなのです。

編集後記

今日は散髪に行ってきます。2千円の散髪屋にしか行かないのですが、担当者を選べません。運悪く短く刈るのが大好きな人にあたったらしばらく寒さ倍増です。

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