キャッシュレスの波が来ているが
今日日、なにを買うにしてもキャッシュレスで買えます。
そっちのほうがポイントもつくし割引になるし、なにより手間がかかりません。
小銭入れから小銭を数え、いちいち小銭をつまんで札と合わせて出すとか
面倒だし、後ろに並んでいる人を待たせるのも悪い気もします。
そういうわけでみんなペイペイや各種バーコード決済の電子マネーを
使うようになっています。
これは昔では考えられないほどの革命的なことです。
昔は小銭を数えて代金に合わせて出していた
昔は商店やスーパーでは代金が表示されると高速で
手持ちの小銭を数えて計算し、代金にぴったり近くなるように
出すのが普通でした。
唯一、それには時間がかかるという欠点があり、友人に小銭を
一円単位で合わせて払っているというと、
それをするのは暇な主婦だけだ、やめておけと注意されました。
札出しておつりもらえ、と。
実は今でも現金決済が主流なスーパーがあります。
最近うちの近くにできたOK(オーケー)というスーパーです。
ここは自動レジやバーコード決済もあるのに、現金決済だと
割引率が高く、現金を使って欲しいようなのです。
決済方法が増えれば増えるほど、記帳は煩雑になる
こうして世の中が便利になり、代金の決済方法が多数になると
どれを使うかはその人の好みになります。
そして、その記録を商品として扱う税理士としては、
記帳の煩雑さを避けるため、
キャッシュレスに対応して、クレジットカードやバーコード決済を
積極的に活用して現金を使わないようにしましょうと勧める人もいます。
確かに、その方がクラウド会計などに取り込みやすいのですが、
必ずしもお客さんみんなが対応できるとは限りません。
現金を使いたい人にはそうしてもらってかまわないと思います。
会計では「現金」を合わせにかかるのは非常に大事
キャッシュレスの時代だから現金なんてもういらないよと思いきや
こと簿記に関しては現金は非常に重要視されており、
それを合わせることはものすごく大事なこととされています。
私が税理士試験の簿記論を受けた時、金庫の中にある現金を数え、
帳簿と合わせることができました。問題みたとたん、それにとびつき
いのいちばんに解きました。
滅茶苦茶複雑な問題が作ってありました。
それをしている時、頭の中に「ジャリ、ジャリジャリジャリ~ン」
と金の音がなっていて楽しかったです。
今でも、そこを合わせ切ったので合格できたと信じています。
実務でも、現金販売商売に税務署が調査に入った時は
いのいちばんに金庫やレジなどの現金を抑えにかかります。
現金出納帳を抱え込むから頭が痛くなる
そして仕事でも現金を使われると必ず現金出納帳が
必要となってきます。それを提出してもらい、
会計事務所で再度打ち込む作業がそこかしこで
行われており、その仕事がものすごくめんどくさい
ので敬遠されているのです。
でも、今はそういう時代ではありません。
現金をいくら使ってもらっても全然平気です。
なぜなら私のとこは現金出納帳をお客さんが入力するからです。
預金から引き出したものはめんどいのと二重仕訳回避で入力を省いてもらいます。
そうしてできあがった現金出納帳のデータをザァアアアっと会計ソフトに
流し込み、一瞬で仕上げる職人になっています。
簿記ができる人ほど現金をうまくあやつることができる
お客さんの中にはものすごく頻繁に銀行の通帳から現金を出したり入れたり、
小銭をつかってたくさんの払いをする人がいますが、
どんだけ大量の取引をしていようが、全く問題ありません。
なぜなら、そういう複雑な動きを見せる人の現金の動きも
現金から預金の流れで完璧に把握できるからです。
本当に腕のいい税理士は現金を使われることを恐れないし、
むしろ、簿記の力の見せどころだと思っています。
小規模の会社では預金からアバウトに現金を引き出すことが
よくあります。どんだけアバウトにされても、きちっと
給料などに分けてキレイに残高まで美しく仕上げます。
まとめ
キャッシュレスの波が来ているからといって、物事全てを
キャッシュレスで済まそうと思うのは大きな間違いです。
現に、ペイペイなどを使ってくれないほうが、手数料を引かれないから
店は儲かると言ってるとこもあります。
私もそれを知ってるから現金決済に協力してるところもあるし、
東京で一番繁盛しているラーメン屋(青島食堂)
さんは現金決済のみです。
現金はいまだに超強力な決済手段なのです。
どんだけ決済手段が増えようが複雑な取引をしようが
腕のある税理士はそれをうまくさばくことができます。
簿記の力さえあれば、現金をいくら使われてもキャッシュレスだろうと
お茶の子さいさいなのです。