税理士になるには実際何年かかるのか

予備校は本当のことは言わない

私が税理士を意識して予備校に通いだしたのは大学4年生が終わるころでした。

当時からも税理士は長期戦と言われており、その予備校でも速習クラスは

25人くらいいて合格者が1人しか出ていませんでした。

予備校ではどれくらいかかるかは発表されていません。

それはそうです、もし本当のこと、10年以上かかるなんて言ったら

誰もその予備校に行かなくなります。

結論としては平均10年かかります。

他のルートをとった場合

もし、大学院のルートをとるとしても国公立の場合、大学院受験のために

専門科目1科目(財政学、税法)、英語1科目を受験し、

2年間通い修士論文を仕上げないといけません。

学費もかかるのでかなりの労力と費用がかかります。

準備も含めて3年はみておいたほうがいいでしょう。

院進学中はあれこれ修論の準備もあり試験にはなかなか受かりません。

そしてもし公務員のルート(国税専門官)を取った場合、最短で23年かかります。

国税専門官をしながら受験という方法もあります。

友人がそれをやっていて、久々に会った時、

「執事さん、税理士試験って難しいですね」

と言い残しそれ以後決して受けようとしませんでした。

上記の平均10年というのはこの大学院のルートをとった人たちを含む平均年数です。

とるまで何年かかるかを研究しているサイトがあり、約9年と発表していましたが、

それはあくまである特定の年のサンプリングをとって集計したものでした。

年数はおおむね妥当だと思われますが

実際はそれ以上とみて間違いないでしょう。

自分の経験から

私の場合は大学院のルートもとりつつ、試験も受けるというハイブリッド型でやりました。

大学院に行って就職をして違う業界に行ってまた受験に戻ってきたので、

再受験開始が26歳からで、終わったのが35歳になる歳でした。

上記の平均の丁度9年間です。

当初病院勤務をしていたのですが、その時、一刻も早く受験を開始しないと

終わるのがものすごく先になると思って焦っていました。

大学院のルートで安全策をとった上での受験であったので

軽く2~3年で終わるだろうと高をくくっていたのです。

それが現実になることはありませんでしたが、

振り返ると取るのにたいてい10年くらいかかるだろうというのは実感としてあります。

ある同業者からの忠告を機に

33歳の頃にある会計事務所に内定し、辞める人の引継ぎを受けていたら試験の話になり

私が簿記論にハマってますと言うと

「あ、それ10年コースだね、10年以上かかるよその科目受かるのに」

と言われました。初対面の相手からです。

嫌味でもなんでもなく、彼は実体験を元に受験の常識を話してくれただけなのです。

その彼も長年消費税が受からず苦しんでいました。

100%計算勝負の簿記論はギャンブル要素が強く、かなりリスキーな科目で有名

でした。それに運悪くハマってしまいました。

結局7回で受かりました。

知人の実体験をみて

運よく、とれた人が大学の同級生などでいますが皆10年以上はかかっていたようです。

試験オンリーで行く場合、40歳代に突入するケースが結構多いです。

私はそれだけは避けたかったので大学院のルートをとっていました。

早稲田の院の後輩でお父さんが税理士という人がいて、そのお父さんは税理士資格を

働きながら25年くらいかけてとったらしいです。

そして息子にだけはそういう思いはさせまいと大学は慶応にいかせ、

さらに短期でとれる会計士にするべく早稲田院に送り込んで来ていました。

それ聞いて税理士って…なんちゅう恐ろしい資格なんだと脂汗が出ました。

ハマると恐ろしい

どういうルートをとろうが自分の人生なんだから納得できるように

したらいいと思いますが、この資格ハマると恐ろしいです。

下手すると人生棒にふります。

私の試験仲間の同僚3人は全員、資格を取れませんでした。

うち2人は女性で恐ろしいほど勉強ができる腕の立つ人たちでした。

全員、すべて試験でのルートを目指し、途中で全員止まりました。

高校で一緒だった同級生もまだ受けていると聞きます。

それより、この業界で働くうちに資格を取ることを諦めて、

無資格でも仕事だけはできるのでそれを続けて食っていくケースも多いです。

超ハイリスクで危ないことこの上ない資格です。

自分がとれた科目はたやすくとれると思ったら大間違い

よく受験が終わると自分がとれた科目は誰でも頑張ればできると錯覚します。

ところが、予備校の講師に聞くとたまに恐ろしい手紙が来るそうです。

通信生からの手紙だったそうで、

「14年間予備校から言われたことをきちんとやっているのですが

どうしても○○(科目名)に受かりません。先生どうしたらいいでしょうか」

と書いてあるのです。

執事さんは受かったからいいけど、こういう人も結構いるんだよと手紙を

貰った講師が困惑気味に話していました。

それ聞いて自分はなんてギャンブルな試験受けてたんだとゾッとしました。

まとめ

税理士試験は平均10年かかります。それも大学院のルートを含んだ数字でです。

実際に試験オンリーでいくと20年コースもあり得ます。知人で数人いました。

予備校や合格者の話を聞いても、なかなか本当の姿は見えてきません。

予備校は実際に10年以上かかりますとは絶対に宣伝しませんし、

TACの新しい社長は今の時代は大学院のルートを皆さんとるから

予備校に来る人が減っていて、事業の軸足を企業研修に移しています

とおっしゃっていました。つまり、予備校も表立っては言いませんが

大学院のルートをなかば認めています。

受験生で10年以上かかりましたという人はすでに忘れたい「事件」

として誰にも語らないでしょう。

私も過去に全く会計業界と関係ないある女性に10年くらい

かかったと言ったところ

「それ絶対途中遊んでたんでしょう!(笑)」

と言われ、いやそういうわけでわ…と変な汗がでた覚えがあります。

やった人でないとなかなか苦労はわからないようです。MS-Japan

編集後記

英語の音読ノートを作りました。高校生の時以来のことです。

ブログ記事に今度は会計業界の実態を書いてみたいです。

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