自動販売機の設置のアルバイトをしていた
19歳の頃、自動販売機設置のアルバイトを1カ月ほどやりました。
いわゆるブルーカラーの肉体労働です。
各種メーカーの自販機をトラックに積んで設置しにいきます。
その時の経験はかなり貴重なものでした。
肉体労働は体にガタが来る
ある時、正社員の方(36歳)と話をしていると
「執事君、わしらの体、頑丈そうに見えるじゃろ。
でもな、実はもうガタガタなんで」
と言われました。
「引っ越し屋さんと一緒で、いかに力を使わずに重いものを
運ぶかがキモなんだ」
とおっしゃっていました。
その方が言うには、給料は相当いいけど、長くはできない仕事だとのこと。
このような貴重な裏話や、仕事の姿勢などが学べました。
5人編成の会社だった
当時の典型的な中小企業で、社長、メーカーに間借りしていた工場で
自動販売機の再塗装をしている職人の部長、3名の自販機設置要員で構成されていました。
そこに私がお手伝いで行ったのです。
自販機設置は労働集約的な仕事であるがゆえに、替えがきかない大事な仕事でした。
アルバイトを辞めて1年後に挨拶に行くと…
そのアルバイトは結構大変でしたが、1年後に手土産をもって挨拶に行くと
工場で塗装の仕事をしていた部長(50代)が急死したと社長が言うのです。
なんでも仕事が終わって家に帰ってきて玄関で座った瞬間に脳卒中で亡くなったのだとか。
それ聞いてびっくりしたのですが、社長がさらに言うには
「当時流行りつつあったプリクラの設置の仕事がガンガン舞い込んでいたんだけど、
その方が急死してしまったので、仕事が止まってしまいそれどころではなかった」とのこと。
自販機設置とプリクラ設置はほぼ似たような仕事なので大きな商機だったのです。
1996年当時のプリクラは出た時はそれほど流行ると思われていませんでしたが、
予想に反してもの凄く流行り、それと共にものすごい勢いでゲームセンター
などに設置されていき、それは今でもあちこちに残っているくらいです。
社長はあの時それがなかったら大きな仕事のチャンスだったのになとおっしゃっていました。
まとめ
このように、不慮の出来事が原因で商機を逃し、企業が大きな成長、大きな利益を取り損ねるって
ことが実際にあります。
こういう小さな企業がいったん成長するにはなんらかのきっかけ、チャンスが必要なのです。
そうでない限り、請負仕事で細々と成長なく終わります。
少人数でそれぞれが替えがきかない仕事をしていたばかりに、突発的な人員欠如に対応できず
社長は惜しいことをしました。
レンタルビデオやコンビニのアルバイトではなく、短期の肉体労働をすると
ダイレクトに経営のことなどが感じられて良かったです。
編集後記
さくらが全開に近づいていました。この雨と暖かい気温で一気に咲き誇るでしょう。
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