大組織にいたら税理士より安泰か

転職の面接で聞かれた不思議な質問「原子力って好きですか?」

 2010年、33歳頃、転職活動をしていました。公務員の天下り先で余生を安泰に暮らそうと思ったからです。その中で原子力開発系の組織を受けたのですが、最後の役員面接で聞かれたのが、「原子力って好きですか?」でした。

 それに対して、「?」と、いったい何が聞きたいのかわからない組織だと思いました。原子力という目に見えないものが好きか?とはあまりにも奇妙な質問だったからです。

 当時の原子力業界というと今では考えられないかもしれませんが、日本の電力を担っているという自負があり、「原子力は安全で間違いのない理想のエネルギー」とうたっていました。それから1年もたたないうちに東日本大震災が起きて原子力の安全神話が崩れ去りました。

  その時、一生安泰、盤石と思われた原子力エネルギー、関連団体が原発事故後一瞬で価値観が変わり、そうではなくなりました。あれから10年、国の原発関連団体は全て今も負の遺産の尻ぬぐいに奔走しています。何の根拠もない安全神話を背景に傲慢になった組織は意味不明なことを面接で口走り、そして簡単に崩壊しました。

政府系特殊法人は安泰か

 20代の頃に職員1万人超の厚生労働省傘下の特殊法人の準公務員でした。病院組織にいたのですが、そこでは長時間労働がまん延しており労働負荷はかなりハードでした。一般的に男性の場合だと国家公務員系の組織に入ると長時間労働を強いられます。

 特に病院は医療ライセンス集団がヒエラルキーを作っている組織なので文系で入ると相当大変です。全国転勤も頻繁にあり、病院では医師を筆頭にライセンス集団全員に仕える形になります。

 事務系は裏方なので基本的に仕事がダイレクトに人の役に立つことは少ないです。どれだけ滅私奉公しようが将来的にも出世という形で報われることはほとんどありません。

大組織ではなく今なぜ税理士として生きるのか

 自分が報われることをしよう、と思って税理士資格を取ってみたのですが大正解でした。個人で開業もできるしその力は絶大です。資格業を個人で開業できる仕事はそうそうありません。

 それができている時点で税理士資格の力は物凄いのです。元々勤めていた大組織の看板でコンサルタントを始めるわけでもないのに、それなりの信用があって専門家、先生としてスタートできます。

 今、改めて昔の組織に戻れば一生安泰だと言われても、全く戻る気はありません。公務員系、公益法人、財団法人よりも断然開業税理士の方が魅力的だと思います。

 税理士試験の受験者が減ったからと単純に税理士人気が落ちたと騒いでいますが、生き方の問題ととらえたら全く問題にすらなりません。丁稚奉公がキツイ世界ですが、独立して自分でやるとなったら大組織にはない魅力が満載です。

まとめ

 大組織を経験して感じたのは大組織が安泰と思うものは全て幻想です。上記のように安心安全絶対だと思っていることはいとも簡単に崩れ去ります。それよりかフリーランス、税理士としてチャレンジしたほうが報われますし、はるかにやりがいはあります。

 今まで、若くて学力もあってリスクを取れるのにも関わらず最終的に資格を取らず企業組織に行った人達を山ほど見てきました。その人達と近年会った時、税理士の私のことをとても羨ましいと言ってくれます。

 若い人はリスクを取れる限り、是非資格に挑戦して欲しいです。苦難の道ですが、その先にはきっと報われる人生が待っています。大組織に依存してもリスクの先送りに過ぎません。若い時期のチャレンジが将来の自分を作るでしょう。

編集後記

 コロナのオミクロン株を防ぐため、全世界からの入国禁止措置となりました。これで水際対策でコロナが流行らなければいいのですが…。

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