人と違ったことをする人に人は否定的
会社を辞めて資格試験を受けようとした時のことです。病院内のとある係長が昔会計士試験に挑戦していたことがあったそうです。その人から「今から税理士試験をうけるって?無理だよそんなの…」と真顔で言われました。資格試験の厳しさを身をもって知っている人からの本気の忠告でした。
そして課長からも「どうせ落ちるって!」と組織を辞める人にひどい一言。でも、所詮そんなもんです。組織のサラリーマンをずっと続けている人からしたら、そうなってくれないと困りますから。
資格をとることは組織、ひいてはサラリーマンの生き方を否定したと捉えられるおそれもあります。このあたりの雑音は想定の範囲内で気にする必要はないでしょう。
違うことをすると友人達からも否定的にみられる
時がたって資格をとり実務経験も積みます。そしていざ独立を考えた時、友人たちの反応はというと。
友人に独立する旨を伝えると意外にも人によっては否定的です。東京でやると言ってもサラリーマンの友人は言います、「でも、同じ競争相手も多いんでしょ」と。あたかも失敗するといわんばかり。
しまいには同じ税理士の友達にすら「いくらなんでも無謀、やめとけ!」と忠告を受けます。
ただ、どちらもサラリーマンの方々でした。なので、友人といっても独立することは必ずしもわかってくれるわけではありません。私が営業活動でさんざん苦労して顧問先を自力獲得したことも知りません。独立したことはないのでその先のことも知りません。つまり、やったことがない人に言ってその人達の言うことを気にしても意味はないのです。
同業である開業税理士から営業手法を否定される
とある税理士法人の経営者の人と飲む機会があり、営業の手法として税理士紹介会社はどうかと聞くと、「ああ、税理士紹介会社は昔は採算取れてたけど今はペイしないから意味ないね」とにべもない言葉。のっけから全否定です。
そこで後からその言った人のHPを調べると高齢税理士から事務所を譲り受けた人でした。つまり営業を自ら全くやった経験がない人が無責任に言ってるのです。おそらく、税理士紹介会社も使ったことがなかったのでしょう。
同じ立場でもこうです。自分と違うことをする場合、たいてい否定から入ります。
あのノーベル賞学者も否定され続けていた
ノーベル賞受賞者(2014年、ノーベル物理学賞)の中村修二先生は青色発光ダイオード開発に挑戦するにあたって素材を当時主流であったセレン系ではなく、ガリウムに着目しました。そして1993年、ついに青色発光ダイオードの開発に成功します。可能性としてはほとんど0%に近い素材を選んで大成功しています。他の著名な学者からも開発は絶対に無理だと全否定されていたそうです。
中村修二先生は私の好きな学者さんです。あのエジソンと並ぶほどの大発明をした偉人です。中村先生のような国宝を日本社会は手放してしまって本当に残念でなりません。これというのも人と違うことをして成功した人を評価しない、評価できないという日本社会の悪癖が発端と言えるでしょう。
まとめ
人はなんでも自分と違ったことをする人を否定的に見がちです。その違ったことが難しいことであればあるほど、失敗する確率ははたからみて高いのですから当たり前の意見です。しかしそこでその他人が不可能だと思ったことは、果たして自分にとって不可能なのかどうか。
実はチャレンジすればいけることなんて世の中山ほどあります。否定的な意見はたとえ同業者であっても言われることはあります。言われたとしても「はい、そうですか」とやめるわけにはいきません。
多くの人、身近な人が否定的な意見を言ったから違うことするとダメというものではありません。家族の了解を得られるのなら、様々なことにチャレンジする価値はあるでしょう。
編集後記
今回は歴史の偉人、ノーベル賞学者中村修二先生に絡めて記事を書けました。こういった知的教養を読者の皆様にどんどん提供したいと思います。中村先生の本は2冊買って読みました。「怒りのブレイクスルー」「考える力、やり抜く力 私の方法」是非ご一読を。